結核症状

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結核の症状 はカゼと似ている? どんな人が結核になりやすいの?

公開日
更新日

 
執筆:大見 貴秀(医師、ヘルスケアライター、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本抗加齢医学学会会員)
 
 
咳、痰、発熱、倦怠感、食欲の低下。これらは風邪の諸症状です。しかし「結核」という病気も初期段階にこれらの症状が発生します。初期症状が似ていても結核は最悪の場合、死に至る可能性がある病気です。この記事では、風邪と似ている 結核の症状 について詳しく解説します。
 
 

結核とはどういう病気?

 
結核は結核菌という細菌に感染してことで発生する病気です。結核は昭和の前半においては日本人の死因の一位の病気でした。医療の発達によって結核によって死亡する人自体は減少しましたが、それでも現在1年間に4万人以上が感染する病気です。
 
結核菌に感染した場合、菌は主に肺の中で増殖を行います。しかし結核菌は増殖のスピードが遅い菌なので実際に症状が現れるまでにある程度潜伏期間を要します。また健康な人の場合は免疫作用で結核菌を抑え込み冬眠状態にします。
 
場合によっては10年や何十年といった時間をかけて発症することがあります。
 
結核菌に感染して比較的すぐに症状が現れる人は10人中1,2人ほど、残りの8-9人に関しては免疫作用により結核菌が冬眠状態になると考えられています。しかし冬眠状態だからといって安心できるわけではなく、免疫力が低下すると増殖を開始して症状が現れるようになります。
高齢者に結核患者が多いのはこの理由によります。
 
 

結核の症状 その特徴は?

 
結核の初期症状は風邪の諸症状に非常によく似ています。
 
現れる症状としては
・咳
・痰
・倦怠感
・微熱

などが挙げられます。
 
しかし風邪が安静にしていれば通常1週間ほどもあれば治癒するのに対して、結核は2週間以上症状が続きます。咳が2週間以上続くようならば一度、病院を受診した方がよいでしょう。
 
結核の症状が進むと
・体重の減少
・血痰
・喀血
・呼吸困難

といった症状が認められるようになり最悪の場合は死に至る危険性もあります。
 
 

結核になりやすい人や状況

 
結核は結核菌による感染症であるため、以下のような人や状況は感染のリスクを高めます。
 

身近な人に結核の患者がいる

身近な人に結核の患者がいると結核菌に晒されている可能性が高まるため感染のリスクが高まります。
 
 

乳幼児

乳幼児は、体の免疫機能が未発達のため結核を抑え込む力が弱く、発症しやすい傾向にあります
 
 

高齢者

高齢者は、体の免疫機能が衰えているため結核を発症しやすくなります
 
 

糖尿病

糖尿病の患者は、免疫力が落ちているため結核を発症しやすくなります
 
 

HIV感染者

HIVに感染すると免疫力が低下するため結核を発症しやすくなります
 
 

ステロイド剤の使用

ステロイド剤は身体の免疫反応を弱めてアレルギーや免疫異常の症状を抑える薬です。免疫反応が弱まるため結核を発症しやすくなります
 
 

抗がん剤の使用

抗がん剤も免疫力を低下させる働きがあるため結核を発症しやすくなります
 
 

遺伝的要因

遺伝的要因により結核への免疫力が低い場合があります
 
 

生活習慣

喫煙、アルコールの過度の摂取、大きなストレス、栄養バランスの乱れなどは免疫力を低下させ結核を発症しやすくなります(結核だけではなくほかの感染症にも共通)
 
 

結核菌に感染するとどうなる?

 
結核菌に感染した場合、その後のパターンは2つ考えられます。
 
1つは免疫力が弱まっていて結核菌が体内で増殖を始めるパターンです。先に述べたように結核菌は増殖のスピードが非常に遅い菌なので、症状が現れるレベルにまで増殖するまでに6か月から2年ほどかかります。このように比較的すぐに結核が発症する人は全感染者の10%程度と考えられています。
 
もう一つのパターンとしては結核菌に体の免疫機能が勝ち、菌を冬眠状態にさせるものです。結核菌は冬眠状態ならば増殖をすることもせず、10年、数十年、もしくは一生眠り続けます。しかし加齢や何らかの病気、薬剤などの理由により免疫力が低下すると増殖を開始し、結核を発症します。
 
結核は結核菌に感染しているとしても免疫機能が正常ならば発症することはありません。過剰に心配せず日々元気でいることが重要です。
 
 

結核への予防や対策

 
結核は結核菌に感染して免疫力が低下していると発症します。そのため免疫力が落ちないように健康的な生活を送ることが重要です。
 
以下のポイントに気を付けましょう。
 
・規則正しい生活習慣を送る
・栄養バランスの整った食事を摂る
・適度に運動を行う
・ストレスを溜めない
・喫煙、過度の飲酒は控える

 
結核が重症化しやすい乳幼児の場合は予防接種をすることでも対策を取ることができます。
 
乳幼児は通常、1歳ころにBCGと呼ばれる注射を摂取することになっています。弱毒化した結核菌を接種させることで結核に対する免疫をあらかじめつけておきます。しかし効果は10-15年ほどで切れてしまうため、青年期以降は免疫力を落とさないような生活を送ることが重要です。
 
 

まとめ

 
結核の初期段階として、咳や痰、微熱など風邪に似た症状が現れます。重症化すると血痰や喀血、呼吸困難などの症状が生じることもあります。最悪の場合は死に至る可能性があるため、2週間以上続く咳は病院で診断を受けることが必要です。結核は基本的に免疫が落ちない限り発症しません。免疫を落とさない生活を送ることが重要です。
 
なお結核の検査については 結核の検査 とはどういうもの? ツベルクリン反応以外にどんな検査があるの? をご覧ください。
 
国境なき医師団が作成した結核について説明した以下の動画も参考にして頂ければ幸いです

 
 

大見 貴秀   大見 貴秀 署名
 
<執筆者プロフィール>
大見 貴秀(おおみ・たかひで)
医師、ヘルスケアライター。麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本抗加齢医学学会会員。
本業である麻酔科医としての活動の傍ら、病気・疾患の予防を啓蒙するためヘルスケアライターとして活躍。
 
 

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